
墓じまいの費用は「◯万円〜」という一つの数字では測れません。次の5つの合計で、それぞれが何で決まるかを押さえると、見積もりが読めるようになります。
① 撤去工事
墓石を解体・撤去し、区画を更地にして墓地管理者へ返すための工事費です。
- 何で決まるか:区画の広さ、墓石の量・大きさ、地中の基礎(カロート)の規模、重機が入れるか、参道からの距離、地域相場。
- 確認する質問:「一式」でなく面積・作業内容ごとの内訳を出してもらえるか。処分費は含むか。
- 遠方で注意:現地を見ないと正確な見積もりが出しにくい。写真や動画での事前確認に対応するか。
② 閉眼供養のお布施
お墓から魂を抜く法要に対して、菩提寺へお渡しするお礼です。
- 何で決まるか:地域と寺院の慣習、これまでのお付き合いの深さ。
- 確認する質問:法要の当日に必要なもの、包み方、当日の流れ。
③ 離檀料
檀家をやめる際に、これまでの感謝としてお渡しする場合があるものです。法律で支払いが決まっているものではありません。
- 目安:10万〜20万円程度と言われることが多い一方、まれに高額を提示される例もあります。
- 納得できないとき:国民生活センターや弁護士・行政書士に相談できます。
④ 改葬先の費用
遺骨の移し先にかかる費用で、ここが総額をいちばん大きく動かします。
- 永代供養墓(合祀):低〜中。年間管理費がかからないことが多い。
- 納骨堂:中。年間管理費がかかる場合、契約期間がある場合も。
- 樹木葬:低〜中。区画型か合祀型かで幅がある。
- 海洋散骨:中。粉骨や乗船の要否でプランが分かれる。
- 手元供養:低。将来の行き先は別途考える。
参考:お墓そのものの購入相場は、鎌倉新書「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」で一般墓 約155.7万円、樹木葬 約67.8万円、納骨堂 約79.3万円と報告されています。
⑤ 行政手続きの費用
改葬許可申請などにかかる手数料です。無料の自治体もあれば、数百円程度かかる自治体もあります。証明書の発行に別途手数料がかかる場合があります。
総額の考え方
鎌倉新書「改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(2026年1月・回答733件)では、墓じまいにかかった費用は 「31万〜70万円」が最も多く、約半数が70万円以下でした。改葬先を先に決めると、④が固まって総額の見通しが立ちます。
同じ「墓じまい」でも、更地にするだけか、都心の納骨堂へ移すかで、総額は大きく変わります。
見積もりチェックリスト
- 撤去範囲(面積・基礎の有無)が明記されているか
- 重機が入れるか/入れない場合の手作業費
- 墓石の処分費が含まれているか
- 追加費用が発生する条件(地中の状況など)の説明があるか
- 閉眼供養・行政手続きの代行は含むか、別料金か
- 支払いの時期(着工前/完了後)
金額は地域・寺院・区画の状況で幅があります。具体的な費用は必ず複数の見積もりでご確認ください。相場の出典:鎌倉新書「改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」。最終確認日:2026-09-01。