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2026.09.12 墓じまいの流れ・手続き

お墓の引っ越し(近くへ移す)|墓じまいとの違い・費用と手続きの考え方

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実家のお墓が遠くて管理できない。でも、更地に返してお墓をなくしてしまうのは気が引ける。そんなときの選択肢が「お墓の引っ越し」です。遠くのお墓から遺骨を取り出し、自分の住む地域の墓地へ移します。この記事で、墓じまい(更地返還)との違い、費用の構造、手続きの順番、判断の目安が分かります。

お墓の引っ越しは、法律上は「改葬」

「お墓の引っ越し」は、法律の言葉では改葬にあたります。遺骨を別の墓地・納骨堂などに移すときは、市区町村の改葬許可という共通の仕組みがあります。これは移し先が一般墓でも永代供養墓でも同じです。改葬許可については、いま遺骨がある墓地等の所在地を管轄する市区町村へ確認します。申請方法や添付書類、移し先の側で必要になる書類・確認事項は、自治体や墓地・納骨堂によって異なる場合があります。詳しい手順は記事「改葬許可証とは?遠方でも進める行政手続きの整理」にまとめています。実際に進める前に、旧墓地の管理者・自治体・移し先の3か所へ確認してください。

ここで見落としやすいのが、引っ越しでも旧墓地では墓じまい(墓石を撤去して更地にし、区画を返す作業)が発生することです。お墓を「なくす」か「近くへ移す」かの違いはあっても、遠くの区画を片づける手間と費用はどちらでもかかります。墓じまい全体の流れは墓じまいの流れのページを参照してください。

引っ越しの3つの形

形 移し先 旧墓石の扱い 承継・年間管理費
遺骨だけ移して新しいお墓を建てる 近くの一般墓(区画を新しく取得) 撤去して処分 続く
墓石ごと移設する 近くの一般墓(区画を新しく取得) 運んで据え付ける 続く
遺骨だけ移して承継のいらない施設へ 永代供養墓・納骨堂・樹木葬など 撤去して処分 不要(施設・プランによる)

墓石ごとの移設は、石材店に運搬と据え付けを依頼します。運ぶ距離が長いと新しく建てるより費用がかさむことがあり、古い墓石が移設に耐えない場合もあります。移設できるかどうかは、石材店と移し先の管理者の両方に確認してください。承継や年間管理費の負担をなくしたい場合の移し先の選び方は、記事「墓じまい後の遺骨の行き先|永代供養・納骨堂・樹木葬・散骨・手元供養の比較」で整理しています。

費用は「旧墓地」と「移し先」の2本立て

お墓の引っ越しの費用は、遠くの旧墓地を片づける費用と、近くの移し先にかかる費用の2つに分かれます。

費用がかかる側 主な内容
旧墓地の側(引っ越し元) 墓石の撤去・更地・返還、閉眼供養、行政手続き(お寺の場合は離檀に関わる費用も)
移し先の側(引っ越し先) 区画使用料、墓石代(新調または移設)、年間管理費など

金額は移し先の種類で大きく変わります。墓石の移設費や撤去費の単価は、公的な統計がないため示せません。旧墓地側と移し先側の両方で見積もりを取るのが確実です。

参考になる調査データが2つあります。ひとつは、墓じまいを実際に行った人の費用です。鎌倉新書「改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(回答733件)では「31万〜70万円」が最も多く、約半数が70万円以下でした。もうひとつは、新しくお墓を購入した人の平均購入金額です。鎌倉新書「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」(回答1,475件・お墓のポータルサイト経由で購入した人が対象)では、一般墓155.7万円、樹木葬67.8万円、納骨堂79.3万円でした。この2つは別々の調査で、対象も違います。単純に足して「引っ越しの総額」とはできません。自分の場合の総額は、旧墓地側と移し先側それぞれの見積もりで確認してください。費用の内訳の考え方は記事「遠方のお墓の墓じまい、費用の相場と5つの内訳」にまとめています。

手続きの順番

  1. 移し先の墓地を決め、受入証明書(使用許可証や契約書)を用意する。
  2. 旧墓地の管理者に、閉眼供養と墓石の撤去の段取りを相談する。
  3. いま遺骨がある墓地等の所在地を管轄する市区町村へ改葬許可を申請する(→ 記事「改葬許可証とは?」)。申請方法や添付書類は自治体によって異なる場合があるため、事前に確認する。
  4. 改葬許可証を持って、移し先へ納骨する。旧区画は更地にして管理者へ返す。

判断の目安

  • 負担が続くか:一般墓のまま近くへ移すと、承継と年間管理費の負担は続きます。負担をなくしたいなら、承継のいらない移し先(→ 記事「墓じまい後の遺骨の行き先」)。
  • 受け入れ条件:宗旨宗派の制限や、寺院墓地では檀家になることを求められる場合があります。移し先の管理者に事前に確認します。
  • 墓石を残せるか:思い入れのある墓石を移設したい場合は、石材店と移し先の規定の両方で可否と費用を確認します。

次にやること

  1. 移し先の方向を決める(近くに一般墓を持つ/承継のいらない施設へ)。
  2. 旧墓地の管理者に、墓じまい(撤去・更地・返還)の段取りと必要書類を聞く。
  3. 移し先の候補に、受け入れ条件・費用・(墓石を移設するなら)その可否を聞く。
  4. 旧墓地側と移し先側の両方で見積もりを取り、改葬許可の手続きに入る。

相談や資料請求の前に整理しておくことは、トップページの「今日できること」にまとめています。

旧墓地の墓じまいをどこまで任せられるか、複数社の見積もり条件を比べる


この記事は一般的な情報の整理です。費用・手続き・宗教上の作法や移し先の受け入れ条件は、地域や墓地・寺院・石材店によって異なります。実際に進める際は、旧墓地の管理者、移し先の管理者、いま遺骨がある市区町村、必要に応じて専門家にご確認ください。出典:墓地、埋葬等に関する法律施行規則(厚生労働省)、鎌倉新書「改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」。最終確認日:2026-09-10。

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